松岡タカノリのレジリエンス伝道日誌

日々是レジリエンスNo.19‐興味が努力を生み、グリットを育み、偉業を達成させる

こんにちは。ハピネスノートです。

ハピネスノートが綴る「3つのよいことブログ」では、ポジティブ心理学や「3つのよいこと」ワークを基にした、子育てや暮らしに役だつ情報を投稿してまいります。

皆様、明けましておめでとうございます。本年も、「3つのよいことノート」と、3つのよいことブログをどうぞよろしくお願い申し上げます。

お正月はどのようにお過ごしになりましたでしょうか。私は、年末年始の寒波の影響で帰省先が大雪に見舞われ、一面雪景色の正月を迎えました。元旦最初のお仕事は雪かきから始まりました。

さて、最近の「3つのよいこと」。

嬉しかったことは、年末にもかかわらず、ネットショップから「3つのよいことノート」のご注文が入ったことでしょう。年末年始の休業で発送が遅くなりましたが、本当に感謝感謝でございます。

頑張ったことは、年末年始、大雪の予報があるため、ノーマルタイヤの自家用車では帰省できないと判断し、急遽、スタッドレスタイヤ装着のレンタカーを借り、慣れない雪道を無事帰省し、Uターンできたことでしょうか。元旦に走った車窓からは、川端康成の「雪国」を彷彿する世界が広がっていました。

ありがとうと感謝の気持ちが起こったことは、元旦の雪かきを甥っ子2人が手伝ってくれたことです。南国育ちの私は、雪かきの経験が乏しく、とても助かりました。

興味あるものでないと努力し続けられない

先日、昨年末に行われたフィギュアスケート全日本選手権をテレビで観ていました。羽生結弦選手のSPやフリーの演技は素晴らしかったですね。オリンピック2連覇をしながらさらなる高みを目指し、まだ誰も成しえていない4回転半(クワッドアクセル)に何度も挑み続ける姿勢は、とても高いグリットとレジリエンスを感じさせました。

羽生結弦選手に限らず、MLBの大谷翔平さんや将棋の藤井聡太さんなど、その道で華々しく活躍する人物は、おしなべてグリットが高いです。ただ、グリットが高いから偉業を成し遂げたというよりは、早いうちから自分の興味のあること、情熱を傾けられること、大好きでしょうがないものを見つけ、その興味の対象に対して、もっと上手くなろう、もっと向上しようと弛まぬ努力を続けた過程でグリットが徐々に高まり、その結果、羽生結弦さんのオリンピック2連覇であったり、大谷翔平さんのMLBのMVP授賞だったり、藤井聡太さんの十代で四冠達成だったりするのではないかと思います。

ダックワース博士の著書には、保護者たちに「グリット(やり抜く力)の半分は粘り強さです」と説明すると、納得するが、「しかし誰だって、自分が本当に面白いと思ったものでなければ、辛抱強く努力し続けることはできません」と説明すると、首をかしげる保護者が多いようです。

首をかしげる保護者の多くは、おそらく、「粘り強く努力することに、好きか嫌いかは関係ない」と思いこんでいるのかもしれません。あるいは、「嫌いなものであっても努力し続けることができるし、上達すればそれが好きになる」と思っているかもしれません。

何事かを成し遂げるために粘り強く努力し続けるには、それに対して心の底から興味を持ち、大好きなことが必須であるように思います。興味のないもの、嫌いなこともある程度は努力し続けることができますが、長続きしません。上達して、それが好きになればよいですが、その道のトップクラスまで上達しても、そのこと自体が本当はやりたくないことだったら、燃え尽きる(バーンアウト)のも早いし、バーンアウトののち、真っ逆さまに社会的地位をドロップアウトするのも早い例も見られます。

おそらく羽生結弦さんも大谷翔平さんも藤井聡太さんも、子どもの頃から今行っていること(フィギュアスケート、野球、将棋)が大好きで興味を持ち、もっと上手くなろう、上手くなるにはどうすれば良いのだろうと、日々、倦まず弛まず考えていたんだろうと想像します。

最初は誰しも気楽な初心者

グリットの高い超一流のプロフェッショナルも、初心者の頃から必死に上手くなりたいとは思わず、将来の目標を考えたりしません。ただひたすら好きなこと、興味のあることを心から楽しんで行っているのです。

羽生結弦さんもフィギュアスケートを始めた頃、最初に氷に乗ったとき、「明日から4回転アクセルを飛ぶために練習するぞ!どうすれば良いのだろう」などと途方もない目標を立てないでしょう。その道を究めた偉人も、最初は気楽な初心者だったはずです。

気楽な初心者から、興味を掘り下げて物事を継続し始める初期の段階に必要なのは、周囲の励ましと本人の“ちょっとした目標”です。

気楽な初心者は、初期の段階で物事を本腰入れて続けるか、やめるか決めかねています。この段階で必要なのは、優しくて面倒見の良い保護者や指導者です。この保護者や指導者の優しい励ましによって、気楽な初心者である子どもが、「(物事を)やっていると楽しい」とか、「自分の好きなことを選ばせてもらえる」ととらえると、グリットが高まり、物事が継続しやすくなります。

さらに、ただ単に好きなことをやるというのではなく、子どもに安心感を与えながら、優しい保護者や指導者は、子どもさんの今のレベルでは、手が届きそうで届きそうにない、ちょっと背伸びすれば手に入るような、“ちょっとした目標”、“ちょっとストレッチした目標”を子どもさんに与え、それに挑戦するように励ますことが大事です。そうすれば、子どもさんの心の中に、“単に好きなこと”から“もっと上達できる好きなこと”へと気持ちが変化し、グリットが高まってくると思います。

初期段階のスパルタ教育、威圧的指導は厳禁!

グリットを高める初期の段階において、気楽な初心者である子どもさんに対して、保護者や指導者の威圧的な指導や、子どもさんに相応しくない高度に専門的なトレーニング、スパルタ教育は、グリットを育むうえで逆効果です。やらない方がよいと思います。

威圧的指導や初期のスパルタ教育は、本人の自主性を尊重しないので、「大好きなこと」が「大嫌い」になり、自分が好きで続けているのではなく、保護者や指導者が怖いので命じられるまま続けているといった考えが芽ばえます。そうなると、自己肯定感は高まることはなく、グリットも当然高まりません。それ以上に、子どもの頃からケガが多くなったり、燃え尽き症候群になったり、トラウマを引きずってドロップアウトするなど、多くの弊害を招く可能性が高いです。

悪い例として、冬季オリンピックに出場したスノーボード選手が挙げられます。その人は、お父さんが指導者で、子どもの頃から厳しくスノーボードを強制的にさせられたそうです。両足をひもでくくって身動きできない中、スノーボードで雪の急坂を滑降させられるなどのスパルタ指導を受けます。本人はスノーボードよりもアニメの声優に興味があり、そちらを目指したかったそうですが、お父さんが怖くてできなかったそうです。

オリンピックに出場するまでの選手に成長したものの、オリンピック本番では実力を発揮できず、その後は早々と引退し、お父さんからの厳しい指導をトラウマとして引きずりながら別の道を歩んでいるそうです。

気楽な初心者からグリットの高い継続する子どもにステップアップするには、ただ単にほめたり甘やかせたりして好きなことをさせるのではなく、“ちょっとした目標”を与え、それに対して少し注意したり、誤りを正しくしたりして練習させることは必要です。ですが、それも温かく励まし、勇気づけながら、子どもさんに“ちょっとした達成感”を感じさせることが大事だと思います。気楽な初心者の段階で、やりすぎたスパルタ指導や威圧的態度は、せっかく芽生えた興味が台無しになり、そうなると、取り返しがつかなくなることでしょう。

ギターを練習する子どもと優しく指導するお母さん

「3つのよいことノート グリットup」では、「興味」を抱いた気楽な初心者である子どもさんに、自主的に目標(ちょっとした目標)を設定させ、そして、その“ちょっとした目標”を達成するにはどうすればよいか、自分自身で考えるように工夫しています。さらに、保護者や指導者のコメント欄を設け、温かく励まし、勇気づけることができる構成になっています。気楽な初心者である子どもさんがグリットを高めていくさまざまな“ちょっとした工夫”が施されているのです。

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次回のブログは、グリットを高める4ステップの2番目、「練習」について、記したいと思います。