3つのよいことブログ

3つのよいことブログNo.11-自己肯定感を高める心のワクチン

こんにちは。ハピネスノートです。

ハピネスノートが綴る「3つのよいことブログ」では、ポジティブ心理学や「3つのよいこと」ワークを基にした、子育てや暮らしに役だつ情報を投稿してまいります。

さて、最近の「3つのよいこと」。

嬉しかったことは、ひょんなことから40年来の友人から連絡をもらったことですね。

頑張ったことは、最近、料理にはまっていて、秋の食材を使った新メニューに挑戦し、上々の出来栄えだったことでしょうか。我ながらよくできたと思います。以前は料理が苦手だったのですが、今や料理しているとフローに入ってしまいます。習慣というのは怖いものです。

ありがとうと感謝の気持ちを持ったことは、その新メニューを美味しいと食べてくれる家族の存在でしょうか。せっかく頑張って作った料理をありがたく食べてくれる身近な人の感謝の言葉は、「こちらこそ(こんな料理を美味しそうに食べてくれて)本当にありがとう」と感謝の気持ちが湧いてきます。

子どもの心を強くする心のワクチン

最近のコロナ禍でのニュースと言えば、コロナワクチンの接種率など、ワクチン関連の情報が多いようですね。ワクチン(特にコロナワクチン)に関しては、書きたいことがたくさんありますが、このブログには全くそぐわないので、別の媒体で別の機会に書くことにしましょう。

ここでは、身体に注射するワクチンではなく、心の中から湧き出す“心のワクチン”の話をします。

ポジティブ心理学の創始者、ペンシルバニア大学心理学教授のマーティン・セリグマン博士が2003年に著した『つよい子を育てる心のワクチン』(ダイヤモンド社)をご存じでしょうか?

この本の原題は、「The Optimistic Child」で、直訳すれば「楽観的な子ども」になります。この書名では売れないし、誤解を生むと出版社が判断したのか、印象に残りやすい『心のワクチン』という造語が使われたのではないかと思います。

本の副題には、「メゲない、キレない、ウツにならないABC思考法」とあります。これからもお分かりになるかと思いますが、セリグマンが言う『心のワクチン』とは、子どもの無力感、感情の暴走、うつ病を予防するために行う思考法を指します。認知行動療法で使われるABC理論に基づいた思考法です。

楽観性を学習する

セリグマンが原題を 「The Optimistic Child(楽観的な子ども)」にした気持ちはなんとなくわかります。彼は、ポジティブ心理学を提唱する前は、イヌを用いた学習性無力感の研究で有名で、その研究の中で無力感を学習せず、ポジティブなイヌがいることに興味を覚え、そこから学習性楽観主義の研究に入ったのです。それが契機となってポジティブ心理学に研究の軸足を置いたのでした。

学習性無力感って、少し難しい心理学用語とお思いでしょうが、そんなことはありません。要するに、ストレスにさらされたとき、それを回避しようと何度も何度も行動を起こしても、何度も何度もその回避に失敗し続けたとき、「何をやってもダメだ。こりゃ。」と思って、以降は本当に何もしなくなる現象です。うつ病に近い症状になるとされますが、 実は、小学生の子どもさんにも見られることがある心理的症状の1つなのです。もちろん、大人にも見られます。まさに、「無力感を学習して獲得する」のが、学習性無力感なのです。

学習性無力感を獲得した人は、自己肯定感もとても低い傾向にあります。

では、その真逆の「学習性楽観主義」とはどんな現象なのでしょうか。文字通り、「学習によって楽観主義を獲得する」現象が学習性楽観主義で、セリグマンが最初に発見した現象です。

セリグマンは、イヌや人に過度なストレスにさらし、そこから回避できない状況を長期間継続させた実験を行ったところ、多くは学習性無力感を獲得したのですが、100%ではなく、少ないながらも学習性無力感を獲得せず、ストレスを回避する行動を諦めないイヌや人がいたのです。セリグマンは、この結果に注目し、「無力感だけでなく、楽観主義も学習して獲得できるのではないか」と考え、学習性楽観主義という現象を発見し、ひいてはそこからポジティブ心理学という学問分野に発展させたのです。

楽観か悲観かは説明スタイルの違い

セリグマンは、楽観主義と悲観主義の違いは、説明スタイルの違いでわかると言っています。

人は、挫折や失敗を起こしたとき、何か自分の意にそぐわない事態に遭遇したとき、自分の心の中でおかれた状況を解釈し、自分に語り掛けて事態を説明します。内省します。そのとき、楽観主義者は、例えば、「失敗は一時的なものだ(次は成功する)」、「失敗はこのケースだけだ(他のケースでは成功する)」、「失敗の原因は、(自分にも原因があるかもしれないが、主な原因は)自分以外のところにある」というように説明しがちです。つまり、挫折や失敗を、一時的、限定的、外向的にとらえる傾向にあるのです。

一方、悲観主義者は、「悪い状態はずっと続くよ(だから次も上手くいかないよ)。」、「何をやっても上手くいかないね(だから他のケースもきっと失敗するよ)。」、「失敗は、すべて自分のせいだ。」というように説明しがちです。つまり、挫折や失敗を、永続的、普遍的、内向的にとらえる傾向にあります。

皆さんの説明スタイルはいかがでしょうか?楽観的ですか。それとも悲観的ですか?皆さんの子どもさんはいかがでしょうか?

悲観的な捉え方を楽観的な捉え方に変える-心のワクチン

セリグマンは、楽観主義を学習によって獲得するには、悲観的な捉え方(心の中で自分に説明する考え方)を楽観的な捉え方に変えることを主張し、認知行動療法のABC理論を応用した方法を著書で説明しています。

悲観的な捉え方を楽観的な捉え方に変えるには、挫折や失敗、思う通りにいかない状況(子どもさんだったらいやだったこと困ったことになります)に対して、悲観的な、ネガティブな一面だけをとらえて心の中で説明する(つぶやく)のではなく、肯定的な、ポジティブな側面を多く持ち、そのような捉え方を豊富に持つことだと思います。

どのような状況、現象にも、肯定的な面と否定的な面があります。一見、悲観的な捉え方しかないような状況であったとしても、必ず肯定的な捉え方は存在します。そのようなしなやかな捉え方をもち、しなやかさを養うためにも「3つのよいことノート」は効果を発揮するのです。

お花畑と笑顔の少女

悲観的な捉え方を楽観的な捉え方に変える具体的で詳しい方法は、書いてしまうと長くなりますので、いずれ、「3つのよいことノート」の「こまったこといやだったこと」とお返しのコメントの書き方を紹介するブログで説明したいと思います。

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しなやかな捉え方(柔軟な思考)がまだ十分できない子どもさんに、状況の悲観的な捉え方、悲観的に捉えている偏った情報にさらしてしまうと、学習性無力感を獲得してしまい、自己肯定感は著しく低くなってしまいます。コロナ禍のテレビを始めとしたメディアの報道は、悲観主義を意図して埋め込むような偏った情報しか流していないのではないかと思います。

このブログをお読みになる皆様には、是非、おかれた状況を悲観的にとらえるだけでなく、肯定的な捉え方にも目を向け、子どもさんにもそのような捉え方を教えていただきたいと思います。「3つのよいことノート」は、そのような状況の肯定的な側面を見出すトレーニングにもなります。

「3つのよいことノート」は、副反応が絶対起こらず、将来の後遺症も発生しない、極めて安全な“心のワクチン”としての絶大な効果を発揮します。