松岡タカノリのレジリエンス伝道日誌

日々是レジリエンスNo.11-水が半分入ったコップをどう説明する?~レジ筋の筋トレ④

コロナワクチンよりも心のワクチンを打ち続けているので、コロナは怖くない。自然免疫強めの健康優良児(古い)“レジリエンストレーナー松岡タカノリです。

子どもの心を強くする心のワクチン

最近のコロナ禍でのニュースと言えば、コロナワクチンの接種率など、ワクチン関連の情報が多いようですね。

身体に注射するワクチンではなく、心の中から湧き出す“心のワクチン”ってご存知ですか?

ポジティブ心理学の創始者、ペンシルバニア大学心理学教授のマーティン・セリグマン博士が2003年に著した『つよい子を育てる心のワクチン』(ダイヤモンド社)をご存じでしょうか?

この本の原題は、「The Optimistic Child」で、直訳すれば「楽観的な子ども」になります。本の副題には、「メゲない、キレない、ウツにならないABC思考法」とあります。

セリグマンが言う『心のワクチン』とは、子どもの無力感、感情の暴走、うつ病を予防するために行う思考法を指します。認知行動療法で使われるABC理論に基づいた思考法です。

ひいてはレジリエンストレーニングも、「心のワクチン」と言えると思います。

水が半分入ったコップをどう説明する?

セリグマンが原題を 「The Optimistic Child(楽観的な子ども)」にした気持ちはなんとなくわかります。彼は、以前は双極性うつ病などの研究をしていたのですが、学習性楽観主義の研究に入ったのが契機となってポジティブ心理学に研究の軸足を置いたのでした。

「学習性楽観主義」とは、文字通り、「学習によって楽観主義を獲得する」現象です。

セリグマンは、楽観主義と悲観主義の違いは、説明スタイルの違いでわかると言っています。

皆様は、水が半分入ったコップをどう説明しますか?

「もう半分しか(水が)残っていない」と説明すれば、悲観的な説明です。

「まだ半分も(水が)残っている」と説明すれば楽観的な説明です。

人は、何か自分の意にそぐわない事態に遭遇したとき、自分の心の中でおかれた状況を解釈し、自分に語り掛けて事態を説明します。

そのとき、楽観主義者は、例えば、

「失敗は一時的なものだ(次は成功する)」、

「失敗はこのケースだけだ(他のケースでは成功する)」、

「失敗の原因は、(自分にも原因があるかもしれないが、主な原因は)自分以外のところにある」

というように説明しがちです。つまり、挫折や失敗を、一時的、限定的、外向的にとらえる傾向にあるのです。

一方、悲観主義者は、

「悪い状態はずっと続くよ(だから次も上手くいかないよ)。」、

「何をやっても上手くいかないね(だから他のケースもきっと失敗するよ)。」、

「失敗は、すべて自分のせいだ。」というように説明しがちです。

つまり、挫折や失敗を、永続的、普遍的、内向的にとらえる傾向にあります。

心のワクチンの打ち方

心のワクチンを打って楽観主義を学習によって獲得するには、悲観的な捉え方(心の中で自分に説明する考え方)を楽観的な捉え方に変えることでできます。

悲観的な捉え方を楽観的な捉え方に変えるには、挫折や失敗、思う通りにいかない状況に対して、ネガティブな一面だけをとらえて心の中で説明するのではなく、ポジティブな側面を多く持ち、そのような捉え方を豊富に持つことが大事です。

このようにして獲得した学習性楽観主義は、私が愛してやまないレジリエンス(心の回復力)を鍛えるレジリエンスマッスル(レジ筋)になります。レジリエンストレーニングは、学習性楽観主義の効果的な獲得の方法もお伝えする心のワクチンなのです。

コロナ禍のテレビを始めとしたメディアの報道は、悲観主義を意図して埋め込むような偏った情報しか流していないのではないかと思います。皆様には、是非、おかれた状況を悲観的にとらえるだけでなく、肯定的な捉え方にも目を向け、コロナ禍が必ず近いうちに解消して今まで通りの生活に戻れると状況を楽観的にとらえていただければと思います。

レジリエンストレーニング(心のワクチン)は、副反応が絶対起こらず、将来の後遺症も発生しない、極めて安全なワクチンですので、超おススメです。