松岡タカノリのレジリエンス伝道日誌

日々是レジリエンスNo.12-自己肯定感とセルフコンパッション

こんにちは。ハピネスノートです。

ハピネスノートが綴る「3つのよいことブログ」では、ポジティブ心理学や「3つのよいこと」ワークを基にした、子育てや暮らしに役だつ情報を投稿してまいります。

さて、最近の「3つのよいこと」。

嬉しかったことは、今週末は、オンラインで充実した学びの時間を得ることができたことです。

頑張ったことは、仕事の面での来年に向けたアクションプランを立てる準備を行ったことでしょうか。来年はさらに成長、飛躍の年になると思います。

ありがとうと感謝の気持ちを持ったことは、週末のオンラインでの学びの時間を共有した友人に対して、ただただ感謝です。それぞれが多忙な日々の中、貴重な時間を割いて共通の目的をもってともに学んでいくことは意義深く、人生は充実しているなあと実感できます。

セルフコンパッション-他人を思いやるように自分を思いやること

今日のブログは、子どもさんというよりは保護者様、大人の皆様にもほっこりとしていただくことを綴ろうと思います。

最近、注目されているマインド、心理的な概念に「セルフコンパッション」というものがあります。ビジネスの世界でも、レジリエンスマインドフルネスと同じように、人と組織のパフォーマンスを高める要素として、にわかに注目されているマインドです。

セルフコンパッションとは、「大切な人を思いやるように自分を思いやること」を言います。私たちは、他者が困っていたり苦しんでいたりすると、思いやりの心を持ってその人に接しますが、自分自身に対して思いやりの心を持つことは少ないのではないでしょうか?他者を思いやるように自分自身を大切に思うようになることがセルフコンパッションなのです。

セルフコンパッションは、マインドフルネス(今この瞬間に集中する状態)と同じように、もともとは苦しみからの解放に関する仏教思想です。ですので、本来ならば日本人にはなじみの深い概念なのですが、最近の日本では、マインドフルネスもセルフコンパッションも忘れ去られているように思います。

コンパッションとは、「共に苦しむ」、「慈悲」、「思いやり」を意味します。コンパッションには、「人に与えるもの」、「人から受け取るもの」、「自分が自分に与え、受け取るもの」の3つの形があり、3つめの形がセルフコンパッションなのです。

セルフコンパッションが高まると、ウェルビーイング(心身社会的に良い状態)全般を高め、不安やうつ状態を減らし、幸福感、楽観性、レジリエンス自己肯定感を高めると言われています。

セルフコンパッションの3つの要素

いいことづくめのセルフコンパッションですが、これには3つの要素があると言われています。その3つとは、「マインドフルネス」、「人としての共通性」、「自分への優しさ」です。

「マインドフルネス」とは、「今この瞬間に集中した状態」を言います。セルフコンパッションでは、困った状態や不安や恐怖などのネガティブ感情を抱くようなストレスにさらされた状態をありのままにとらえ受け入れることを言います。

「人としての共通性」とは、一言で言えば、「だって人間だもの」という感覚です。「苦しみ辛さは人間だったら誰しも経験するもの。人間は不完全で間違いや失敗を起こし弱い生き物。だから人はつながり合い協力し合って生きている」と感じることが「人としての共通性」です。

「自分への優しさ」は、自分を批判したり責めたりせず、自分の良さ、強み、長所を認め、慈しむこと。愛することを言います。私たちは、過ちや失敗をしでかしたとき、自分を責めたり批判したりすることがあります。過去の過ちや失敗を反省したり自己批判したりすることは、将来同じような過ちや失敗を繰り返さないためには必要なことなのですが、そのような肯定的な意味で反省したり自己批判したりする以上に、過度に自分で自分を貶めたり卑しめたりすることがあります。それは、あまりにも自分に厳しすぎる態度で、ネガティブ感情を引きずった状態が続き、精神的にまいってしまいます。

過ちや失敗をやらかしてしまうと、誰しも精神的に落ち込みます。子どもさんでもそうです。上手くいかないこと、困ったこと嫌だったことがあると、どうしてもつらくて心が折れてめげてしまいます。そんなときに心の傷に塩を塗り込むように過剰に自分を責めたり批判したりするのは、かえって辛さや落ち込みを助長してしまい、良い効果は生まれてきません。自己肯定感も下がりっぱなしになります。

仲良し兄弟

セルフコンパッションと自己肯定感を高めるコツ

以前のブログで、「3つのよいことノート」に「3つのよいこと」だけでなく、困ったことや嫌なことを書く意味について記しました。覚えていらっしゃるでしょうか?

3つのよいことブログNo.9-困ったこと嫌だったことを書く深い意味

そのブログの中で、子どもさんが困ったことや嫌だったことを書いたときの親からのお返しのコメントの書き方について、少し触れたかと思います。その書き方と少し共通するところがありますが、子どもさんが 困ったことや嫌だったことを書いたとき、お母様やお父様は、セルフコンパッションの3つの要素を意識しながらコメントを返していただくと、子どもさんのセルフコンパッションは高まり、「本物の自己肯定感」も高まっていきます。

子どもさんが困ったことや嫌だったことを書いたら、「マインドフルネス」に、ありのままに状況を受け入れ、そして子どもさんにも困ったことや嫌だったことをありのままに受け入れるようなコメントを返してください。たとえば、「困ったのね。」「嫌だったのね。」「それは困ったね~」、「それは嫌~な気分になるよね」という風に。

次に、「人としての共通性」を意識しながら、「そういうこともある。〇〇ちゃんだけじゃなく、だれでも同じように困ったり嫌だったりするよ」という風にコメントを返しても良いと思います。

さらに、「自分への優しさ」を意識しながら、「〇〇ちゃんは、お友だちが同じように困ったり嫌だったりしたら、そのお友だちにどのようなことをしてあげる?」という風に、子どもさんの優しさや美徳に目覚めさせたり、「今の困った〇〇ちゃんに、〇〇ちゃんはどのように慰める?どのように励ましてあげる?」と、自分自身への優しさを育むコメントをしてあげても良いと思います。そして、「〇〇ちゃんは、次に同じようなことが起こったとき、どうすれば良いと思う?」と、できるだけ自分でネガティブな状況に対応する方法を考えさせるコメントをすると、子どもさんのセルフコンパッションも自己肯定感も高まります。

このように。「3つのよいことノート」は、子どもさんの本物の自己肯定感とともにセルフコンパッションも高めることができるノートなのです。

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大人こそセルフコンパッションを高めよう

これまでセルフコンパッションと、それを高める方法を記しました。今回は、主に子どもさんのセルフコンパッションを高めることを書きましたが、私は、子どもさんを育てるお母様お父様にこそ、セルフコンパッションを高めていただきたいと思っています。なぜなら、子どもさんのセルフコンパッションや本物の自己肯定感を高める取り組みをしたとしても、親のセルフコンパッションや本物の自己肯定感が低ければ意味をなさないからです。

子育てをするご両親(特にお母様)は、責任感の強さから、子育てに関して何か失敗や、子どもさんを傷つけたりしたとき、自分を過度に責めたり卑下したりしがちです。完璧な子育てなんてまずないですし、できません。なかなか思うような育児、教育ができないとしても、大切な子どもや家族を思いやるように慈しみ愛するように、自分自身をも思いやり慈しみ愛してほしいのです。そうすれば、セルフコンパッションが高まり、ウェルビーイングも高まり、育児、教育、家庭、プライベートの趣味など、すべてが好転し、幸福な生活が送れると思っています。