こんにちは。ハピネスノートです。
ハピネスノートが綴る「3つのよいことブログ」では、ポジティブ心理学や「3つのよいこと」ワークを基にした、子育てや暮らしに役だつ情報を投稿してまいります。
さて、最近の「3つのよいこと」。
嬉しかったことというよりは感動したことは、旅先で見た棚田、稲穂の美しさですね。
先日、火急で必要な商用のため、滅多に訪れない土地まで訪問する際、列車の窓外に美しく広がる稲穂を見て、とても感動しました。日本は美しい瑞穂の国であることを再認識しました。
頑張ったことは、11年続く恒例のイベントを、オンラインでありながらも幹事として開催にこぎつけ、有意義で深い学びの場の提供に貢献したことでしょうか。
そして、ありがとうと感謝の気持ちが起こったことは、商談先の某書店様の女性役員様(副社長)から、「3つのよいことノート」を高く評価いただき、制作目的や及ぼす影響について深くご理解いただいたことでしょうか。製作者冥利に尽きます。本当に感謝感謝でございます。
自己肯定感が害を及ぼす!?
前回、前々回のブログでは、自己肯定感を高める叱り方、ほめ方を記しました。
3つのよいことブログNo.3-自己肯定感を高める子どもへの支援
3つのよいことブログNo.4-自己肯定感を高める子どもの「ほめ方」
自己肯定感は、人間が生きるためのエネルギーであり、生きる根源なのですが、誤った形で自己肯定感が高まると、それ自体が害を及ぼすお話を記します。
1969年のアメリカでは、心理セラピストが出版したセルフエスティーム(自己肯定感)の本がきっかけとなり、自己肯定感がブームとなった時期がありました。多くの研究者が、「自己肯定感は成功、心理的健康、幸福、成長に関係する」と報告し、自己肯定感を高める方法、維持する方法に関する多くの本が出版されました。カリフォルニア州では、子どもの自己肯定感が高まれば、学業不振、いじめ、犯罪、若年妊娠率、薬物中毒が減り、長期的に税収が増えると見越して、子どもの自己肯定感を高めるプロジェクトに約20万ドルもの予算をつけ、活動しました。
長期的に税収が増えるとの投資リターンを考えて予算をつけるあたりは、いかにもアメリカらしいですね。
その結果、どうなったか?
プロジェクトの結果、確かに子どもの自己肯定感は高まりましたが、学業成績や職場での業績を高めることにはならず、子どもの喫煙、飲酒、ドラッグの使用、犯罪率を下げることはありませんでした。
自己肯定感には2つのタイプがあった-「ガラスの自己肯定感」と「本物の自己肯定感」
では、子どもの自己肯定感は、高めても無駄なのでしょうか?害を及ぼすだけなのでしょうか?
答えはNOです。
心理学者のロイ・バウマイスターが今までの研究を分析し、2002年に効果が出なかった原因を発表しました。
原因の1つには、「アンケートに主観性が混じっていた」ことでした。つまり、自己肯定感の高い子どもは、自分のことを「人気がある」、「友達が多い」と答える傾向が強かったですが、親や先生、生徒からの第三者からの客観的な意見では、そうでもなかった例が多かったようです。
最も注目すべき原因は、「自己肯定感(=自分が好き)の理由が他者との比較からきている」ことでした。
自己肯定感(=自分が好き)には、自分が平均以上優れているという他者との比較・評価からくるタイプがあります。このタイプは、自分よりもできる人が現れたり、失敗して平均以下と感じると、自己肯定感はもろくも崩れていきます。「条件付きの自己肯定感」と呼ばれていますが、私はわかりやすく「ガラスの自己肯定感」と呼んでいます。
自己肯定感のもう1つのタイプは、自分が好きな理由は、自分の良いところも悪いところも受け入れている(自己受容)からくるタイプです。このタイプは、たとえ自分よりもできる人が現れても、失敗したとしても、自分のことを好きでいられ、自己肯定感は揺るぎません。このタイプは「条件のない自己肯定感」と呼ばれていますが、私は、「本物の自己肯定感」と呼んでいます。
根拠のない称賛、他者との比較、勝負の回避、実力以上の成績評価は、ガラスの自己肯定感の温床となる!
カリフォルニア州の20万ドルもの予算をつけた子どもの自己肯定感向上プロジェクトが、子どもの自己肯定感が高まったにも関わらず、期待したような効果が現れなかったのは、子どもには「ガラスの自己肯定感」が高まったが、「本物の自己肯定感」が育まれなかったからと考えられています。
このプロジェクトでは、自己イメージを高めるために根拠のない称賛をしたり、他者と比較して「あなたはできる」と安心させたり、自己イメージを下げさせないために勝ち負けを避けたり、実力以上の成績をつけたりして、自己肯定感を高めていました。これでは「ガラスの自己肯定感」しか高まりません。
根拠のない称賛は、子どもに実力以上の力を持っていると勘違いさせます。また、「ガラスの自己肯定感」が高い子どもは、できない子どもを見下したり、排他的になり、自分の所属する集団外の子どもに偏見を持って排除したりします。このような人は、自己肯定感の低い人と同じかそれ以上に、頻繁に人をいじめる傾向が強くなります。
「自分はできるから自分が好き」だと思っている「ガラスの自己肯定感」の高い子どもは、できないことを受け入れられません。そのような状況になると、「できなかったらどうしよう」と不安になり、「できている状態」を保ちたいために手段を選ばない行動を起こす傾向があります。例えば、カンニングしてでも試験の成績を上げたり、病気やさまざまな理由をつけて試験そのものを受けないようにする行動をとりがちです。
「3つのよいこと」と正しい「叱り方」、「ほめ方」が本物の自己肯定感を育む
では、どのようにすれば子どもに「ガラスの自己肯定感」ではなく、「本物の自己肯定感」を高めることができるのでしょうか?それは、「ガラスの自己肯定感」を高めることなった「根拠のない称賛」、「他者との比較」、「勝負の回避」、「実力以上の成績評価」を止め、「3つのよいこと」を行い、正しい「叱り方」、「ほめ方」に基づく良好なコミュニケーションを行うことだと思います。
改めて本物の自己肯定感を高める「叱り方」のポイントを記しましょう。
・状態や行動を指摘し、人格を否定しない
・他の子どもや自分(親)と比べない
・感情的にならない
・否定的な言葉やうその言葉で叱らない
次に、本物の自己肯定感を高める「ほめ方」のポイントを記しましょう。
・笑顔で、向き合って、心をこめてほめる
・結果だけでなく、それ以上に努力、過程(やってきたこと)をほめる
・いつもできていること、これからできてほしいこともほめる
・ほかの子と比べない。自分(親)の子どもの頃と比べない。
・過去の子どもと比べ成長にフォーカスしてほめる
「3つのよいことノート」を活用して子どもさんと「3つのよいこと」を行い、上記の「叱り方」、「ほめ方」に注意しながら子どもさんと良好なコミュニケーションをはかることができれば、子どもさんは、「ガラスの自己肯定感」ではなく、「本物の自己肯定感」が高まり、親子の、家族の幸福感は高まり、素晴らしく良いことが続きます。
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その際、忘れてはならない大事なものは何でしょうか?
そうですね。親の子どもに対する「無条件の愛情」です。