松岡タカノリのレジリエンス伝道日誌

日々是レジリエンスNo.39‐子どもの感情が失われる!?~「SNSだけの友だちいる」高校生は4割の衝撃

こんにちは。「コーチング式子育てのガッコウ」講師の松岡タカノリです。

この「3つのよいことブログ」では、ポジティブ心理学や「3つのよいこと」ワークを基にした、子育てや暮らしに役だつ情報を投稿してまいります。

中高校生のSNS利用に関するNHKの意識調査

先日、テレビのニュースを見ていると、中高校生のSNS利用に関するNHKの意識調査が報じられました。その中で、「SNSだけのつきあいで実際には会ったことがない友だちがいる」と回答したのは、中学生で26%、高校生で42%となりました。10年前の調査結果よりも増加傾向にあることがわかりました。

さらに調査結果を細かく見ると、SNSだけのつきあいで実際に会ったことのない友だちが10人以上いると回答した中学生は11%、高校生は19%でした。

皆様、この結果をどのように受け止めますでしょうか?

今のスマホ世代、SNS依存の社会では当然の結果だろうと思われる方が多いかと思いますが、私は、正直、ぞっとするような危機感を感じました。

皮膚は第三の脳

私たち人は、外界の情報を五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)と言語で認識して脳にインプットし、さまざまな資源として活用します。子どもの頃から、五感と言葉を介してさまざまな情報に触れておくと、多様な情報がインプットされ、知識として蓄積されたり、脳内の神経ネットワークが活性化多様化して、非認知能力の高い人に成長していきます。

五感の中でも皮膚を介した触覚は、他の感覚器に比べて目立たないですが、

実は皮膚は「第三の脳」と呼ばれるくらい、重要な器官なのです。

なぜ皮膚が「第三の脳」と呼ばれるのか?皮膚には触覚器として圧力や温度、湿度を感じるだけでなく、光や音を感じることが最新の研究で明らかになっています。こうなると、触覚器ではおさまらない器官ですよね?

さらに、脳でつくられるような身体全体をコントロールするホルモンを、皮膚自体もつくることがわかり、それが脳の働きに影響を及ぼしているという研究結果も出ています。また、心や感情の動きに関係するさまざまな神経ホルモンを受容する受容体や記憶に関する受容体も皮膚には存在します。

つまり私たちは、触覚を介して脳で情報を処理する前に、実は皮膚でさまざまな情報を処理し、反応している場合も多いのです。

肌感覚」という言葉や、「自分とは肌が合わない」という慣用句がありますが、これはまさに、肌=皮膚でものごとを判断したことを意味するのです。まさに「皮膚は脳」ですよね。

現代の中高生は肌感覚が失われる=非認知能力が低下する!

NHKの意識調査に戻り、友人とのコミュニケーションを、直接会い、顔を合わせ、笑い合ったり楽しく会話したり、ときにはケンカしたりするようなダイレクトなコミュニケーションをせず、スマホを介したSNSに依存して友人とダイレクトに合わずにコミュニケーションを続けていると、当然ながら脳としての皮膚、重要な感覚器としての皮膚を使っていないので、“肌感覚”は著しく失われます。

言葉も交わさないので、語彙力や表現力も下がっていくでしょう。脳にインプットされる情報も少なくなるので、知識も蓄積しません。顔を合わせたコミュニケーションをしないので、自分の感情を上手く表現したり感情をコントロールして意思を伝えたりする習慣がなくなります。また、相手の表情を読み取ることができなくなり、共感力が失われます。他者の気持ちを汲み取るような利他心もなくなるでしょう。

要するに、子どもの頃からSNSだけに頼るコミュニケーション、友人関係を続けていけば、コミュニケーション力、感情調節能力、表現力、共感力、感情知性が著しく失われる大人になる可能性が高いのです。私が危機感を覚えた理由がおわかりでしょうか。

顔と顔を合わせ、直接言葉を交わすコミュニケーション、スマホではなく自分の手で文字を書く行為は、脳の機能の発達と自己肯定感、レジリエンスなどの非認知能力の向上にとても重要です。子どもさんとは、できるだけダイレクトに言葉を交わし、肌が感じられるコミュニケーションをとっていただきたいものです。

笑顔の仲良し女の子

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